2023.01.04
「MELLOW」新春フラッシュセール
admin
「私好きだな、雨の匂い。ペトリコールっていうんだって──」その匂いはあの日を思い起こさせた。2年前の雨の夜のこと──。「私とセックスしてほしいの。……私の処女もらって」主人公の「拓実」は久しぶりに出会った「えりか」の友達「灯里」に懇願されセックスをしてしまう。快楽に目覚めた2人はその後もセックスを繰り返した。しかしそんな日々も突然灯里と音信不通になったことで終わりを迎える。別れ際にした初めてのキスを残して。──2年後。大学に進学した拓実は、鈍い罪悪感を抱えながらえりかと恋人の時間を過ごしていた。しかし初夏に差し掛かる頃、えりかとのデートで向かった喫茶店で偶然バイトをしている灯里に出会ってしまって……。「忘れられるはずがないでしょ。あの雨のこと……最低な夜のこと」
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ウミネコの声で目を覚ました。陽射しの射し込む車窓から外を見れば、前日の雨で増水した海上を飛沫を上げながら列車が進んでいた。夏の陽射しは白く、列車の軌跡を辿る曳波(ひきなみ)も白い。空は青、藍、碧。前方にはウミネコの集う穏やかな離島がより一層、緑緑(あおあお)と浮かんでいた。心は躍っているだろうか。それとも不安に圧し潰されそうか。ただ一つ、解(わか)っていることは。あの島で、夜を見ない生活が始まるんだ。雨降る夜の夢(きおく)を思い出す為に。アサガオは夜(アイ)を識(し)らない。
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──2045年に、人はまだ‘‘心’’を持っているだろうか。2045年。『技術特異点−シンギュラリティ−』が訪れると予見された年。 しかしそんな気配は露も見せず、代わりに人を助けるため生みされたアンドロイドたちは、 6つの世代を追って人間の生活に浸透している途中。「私は、月生まれのアンドロイドです」アンドロイド嫌いの少年「家入操」が地方都市で出会った女性は、月で生まれた最先端のアンドロイド。彼女は人の世界に憧れて研究所を脱走、人間に扮して喫茶店を経営し暮らしていた。異質な人物との出会いを果たした少年は、徐々に街の異様さを知ることになる。正体不明(?)神出鬼没の学生ネットアイドル。超人的な身体能力を持ち、裏の顔を持つ≪聖女/シスター≫。国の暗部組織、公安零課に所属する2人の刑事。若きギャング団を率いる圧倒的カリスマ。街は少年と‘‘誰か’’を、『≪機械仕掛けの運命デア・エクス・マキナ≫』で繋ぎ合わせていく──。
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