2023.07.24
Grand Cru noir
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氷堂伊吹。容姿端麗頭脳明晰且つ生徒会長の完璧美少女。それが僕の憧れの先輩だ。ここ氷王学園に入学した僕の前に現れた彼女に一瞬で心奪われた僕は、そんな彼女に少しでも近付きたくて、空きのあった生徒会書記にガラにもなく立候補した。運良く他の候補がいなくて書記になった僕は、自分でも驚く程に伊吹会長のためにがむしゃらに働いたんだ。その甲斐あって、彼女の信頼を少しでも得られた僕は、事あるごとに会長のお供をするようになる。そんなある日、旧倉庫の作業を一緒にすることになって……そしてあの衝撃の事件へと遭遇することになるんだ………晴れた昼下がり。生徒会作業として旧倉庫の片づけを伊吹会長とすることになった僕。二人きりの作業が嬉しくて心躍らせながら作業に従事していた僕の前で、伊吹会長は旧倉庫の壁の落書きを消そうと小さい脚立に乗っていた。目の高さに来る彼女の短めのスカートから伸びる生足に気を取られちらちら凝視してしまう僕。作業に集中しなきゃと思うんだけど、すぐ側で無防備つき出されたヒップの丸みを気を取られてしまい……それが良かったのか悪かったのか……神様の悪戯のごとく吹いた突風が、彼女の短めのスカートをふわり浮かせたかと思うと、その下に隠されていた彼女の……そう、僕はノーマルだ。好きな女性だから、勝手に妄想していた。美少女に似合うのは白い清楚な下着。可愛いピンクの下着。恥じらいとともに僕の目に飛び込んでくるラッキースケベ。そんな淡い期待を見事なまでに裏切ってくれたのは彼女のヒップにぴっちりと、纏わり食い込むように覆っていた漆黒の、艶のある、生地だった……それから数日。僕の頭の中は、彼女の丸いむっちりとしたお尻を覆っていた艶のある漆黒の生地でいっぱいになっていた……悶々としたまま粛々と生徒会作業をこなしていたけれど、今日、思いがけずその正体を知ることになるんだ…。
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4話で構成されたオムニバス作品「桃田みここ編」全国屈指の学生テニスプレイヤーである桃田みここは高いスピードとセンスを持った選手で、小柄で可愛らしい容姿からは想像できないプレイを得意としている選手。全体的にレベルの高いこのテニス部の中でも頭一つも二つも抜けた彼女に今までは誰も何も言うことはなかったが、新しく若い男の顧問がやって来てから一変した。顧問はみここのやり方を良しとしなかった。赴任したばかりの日に面と向かって指摘されて以来、みここはその教師を目の敵にしている。後日、顧問がセッティングした他校との練習試合に出場したみここは相手を侮辱し勝利する。試合後、1人ロッカールームで着替えをしていたところに相手校の生徒がやってきて……。「加賀美マリア編」会長からの命令により、マリアはある麻薬シンジケートの調査をすることになった。その組織はかなり結束力が強く、容易に尻尾を掴ませなかった。施設に保護されていた情報提供者は多くを語る前に暗殺され、結社は手がかりを失っていた。殺されてしまったのは何故か――?その理由は、結社の内部に既にスパイを送り込まれているからだと考えるのが自然だった。会長の指示で電車に乗り込んだ加賀美マリアは電車の中でスパイと麻薬シンジケートの人間の接触が行われると推測し作戦を遂行していくが……。「悠里ともか編」最近出演するようになったバラエティ番組では、若手芸人相手に少し天然ボケ気味に女王様キャラを演じたり、バラエティ番組で見せる素の性格は茶目っ気もたっぷりで親しみやすく当意即妙の返しもできる、朗らかな人柄と笑顔。頭の良さが嫌味にならない愛嬌。そして何より、アナウンサーとしてひたむきに努力する姿勢がお茶の間にも自然と伝わり悠里ともかの人気は急上昇中だった。入社2年目にしてレギュラー番組を抱え、局内でも誰もがともかが期待の星である事を認め始めていた。しかし――。それを良く思わない人間も一部には存在し、次々と罠にはめられていく……。「鈴峰彩花編」その日は珍しく、鈴峰は一人帰りの電車に乗っていた。教師に聞かねばならないことがあって残っていたのだが、いつの間にか時間が経ってしまい外は大分暗い。周囲の雰囲気もいつもの時間とは違い、学生は殆どいなかった。満員とまではいかないものの混雑した車内。鈴峰の乗った急行電車は、この先乗り換えの駅まで止まることはない。そして、その閉鎖的な空間で事件は起こった――。
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2023.07.12
Thief and ○○○
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目が覚めると、そこは見知らぬ洞窟だった。肌にまとわりつくジットリとした空気、太陽の光が差し込まない場所。何が起きたのか理解しようと上半身を起こすと、今まで自分が身につけていたはずの衣類が姿を消している。意識を失っている間に、抵抗させない為にと、衣類や道具のすべてを誰かが持ち去ったという事なのだろう。つまり、何かによって自分は囚われの身となっている訳だ。生憎と自分は、助けを待つだけの姫などではない。どこかはわからないが、この洞窟から脱出し、自分を捕まえた連中に思い知らせてやらなければいけない。さぁ、状況を始めましょうか……。
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──この街には、決して越えられない「雲」がある。ずっとずっと、夜空の輝きを遮ってきた雲がある。だから、星空が遠すぎて。小さな願いは、いつしか大きな憧れへと変わっていった。雲に包まれたこの街で。満天の星空を夢見る少女たちがいる。──これは、柔らかくゆるやかな日々に、淡い夢を見るお話。──どこまでもどこまでも──それは、空が青く澄み渡っていた日の朝。巽の家を出た策は、この街へとやってきた。空明市。まるであの空を切り取り、名刺代わりに差し出されたような名の。──どこか優しく頬を撫でていく、この街の空気。「お前は好きに生きなさい」あの厳格な祖父にそう告げられた時、策は自分が巽の者として失格した事を理解した。わかっていた事だ。ずっとずっと昔から、わかっていた。それでも受け入れてしまう事はできなくて、諦めきれなくて、無様に努力だけを続けてきた。父のように。兄のように。自分にだって、巽の家に生まれついた者が持っていて当たり前のものがあるのだと、認めて欲しかった。けれど今、自分はここにいる。祖先が住んでいたという、古ぼけた屋敷が目の前にある。「巽の者を代表して、誰かがあの街に行かなければならない」祖父がそう告げた時、ろくに内容も確認せず、策は話に乗った。それが、あの家から出る理由となるのなら。この街の優しさに少しだけ甘えながら。新しい生活が始まるのだと。そう決心して、これから住まう事になる屋敷の門を潜った──これは、柔らかくゆるやかな日々に、淡い夢を見るお話。……そして、ゆっくりと。ゆっくりゆっくりと、雨が降り積もっていく物語。
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特集: Lump of Sugar特集
どうしても欲しいパーカーを見つけた菜結子は、テレホンクラブに電話をかける。割り切り・ホ別1万・手コキのみの条件で現われたのはでっぷり太った汗まみれのキモデブ。(しくったかも……)でも菜結子は、男とホテルに向かった。お金が欲しかったから。バイト感覚で身体を売る少女が、いとも容易く転落していく1ヶ月間を少女の視点で追う。
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この作品は原作の第1話〜第31話までの「第1章 黒瀬」「第2章 深月」を収録したものです。詳しくは、ノクターンノベルズ掲載「ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない」をご確認ください。■あらすじ■人嫌いで黙々と仕事をこなすだけのサラリーマンだった武村は、突然の会社倒産後、やる気を失ってしまい引きこもりの生活をダラダラと送っていた。そんなある日、部屋を出たところで突如謎の男に襲われ、腕を噛まれてしまう。なんとか自室へと逃げこんだものの、謎の高熱を出し続けて数日間寝込んでしまう。やがて症状も回復し再び日常へと戻ろうとした武村だったが、世界はその間に一変していた。突然現れたゾンビ達がありとあらゆる場所で闊歩し、人間に襲いかかる。崩壊しかかった文明の中で、人々は逃げ惑うばかり。だが。《なぜか、自分だけはゾンビに襲われない!》武村はこの状況をどう利用し、どう過ごしていくのか?崩壊を始めた文明社会の中で、生き残りをかけたサバイバルが始まる。アダルト小説投稿サイト【ノクターンノベルズ】でネットユーザーの圧倒的指示を得て、年間ランキング堂々の1位獲得!リアルな描写、次々と目まぐるしく変わる状況。果たしてこの環境で武村は、そして人類は生き残れるのか。■ノベルゲーム化で追加される、新たな魅力小説では見られなかったキャラクターたちのビジュアルが、臨場感溢れるCGとなって登場します!原画・キャラクターデザインは成年コミック雑誌等で大活躍中のイラストレーター・サブロー先生。そして女性キャラクターは全てプロ声優によりフルボイス化され、原作の重厚なストーリーに更なるリアリティを持たせています。作品のもうひとつの魅力であるアダルトシーンは、大画面CGと迫力あるボイスで、実用性を更に高めました。原作者監修の元に再現された魅力的なキャラクターたちの姿を、是非その目でご確認ください!
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シコックスゲームシリーズ第三弾!延べ150万人以上が読んだWEB小説のゲーム化!催●系のエロが好きな人にはたまらない「リモコンから始まるエロストーリー」■ストーリー「愛情」を操作する能力「リモコン」を手に入れた干支沢光太郎(えとざわこうたろう)それを使えば女の子たちは少年のことが好きで好きでたまらない状態になってしまうという。手軽に、いとも簡単に。調子に乗った光太郎は文字通りヤりたい放題に女の子たちを好きにしていく。看護婦、クラスメイト、さらには美人女教師にまでその能力を使い、女体を貪っていく。思い通りに操るその快楽に浸り、物語は進んでいく…※この作品は投稿された小説のうち、第11話までをノベルゲーム化した物です。
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うどん屋で昼ご飯を食べていたはずの青年は、気が付くと知らない場所にいた。目の前に現れた少年は、自身の精液がうどんなのだと言う。精液がうどんのショタと、そのショタに捉えられた青年の物語。
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「幸福の先への物語」春。世界的な美術家である父の死により、天涯孤独となった主人公・草薙直哉は、親友である夏目圭の家へと世話になることに。そこには、直哉が通う学園の担任である夏目藍、圭の妹で女優の夏目雫との交流が待っていた。そして、新学期の到来と共に、遠い昔に転校した幼なじみ・御桜稟が、再び直哉の前に現れる。風に巻く桜の花びらの向こう、それは、約束されていた再会の如く――。時の刻みが想いを重ね、感情の奔流が形になるとき、そこで出会う光景とは?物語の先にある幸福。その先にある物語の形――。サクラノ詩は、立ち止まる人とその先を歩き続ける人々の物語。
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特集: 萌えゲーアワード2015特集
2023.04.27
【対象者限定】大感謝祭ありがとう20%OFFクーポン対象
admin
かつて震災と大火に見舞われ、一度は焼け落ちた街――音羽。そこは現在、ヨーロッパの童話から飛び出してきたような、美しい街並みとして甦っていた。まるで、忌まわしい災厄の記憶を覆い隠すように……。クリスマスの夜。遠い約束の果てに再会した2人――火村夕と雨宮優子。互いが離れていた空白の時間。それを埋めるため、雨宮優子は自分の関わった2つの物語を語った。そして彼女は、真摯なまなざしで火村に問いかけた。「私も知りたいんです」「私が知らないあなたのことを――教えてほしい」火村は語る――。「彼女がいたから、俺は優子がここで待っているって知ることができた」「直接ってわけじゃないけど。少なくとも、きっかけを作った人間の一人だ」「それに、おまえが話した物語との深い関わりも持っている」「彼女の名前は、新藤千尋」『 ef – the first tale. 』はこちら──
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2023.04.27
【対象者限定】大感謝祭ありがとう20%OFFクーポン対象
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かつて震災と大火に見舞われ、一度は焼け落ちた街――音羽。そこは現在、ヨーロッパの童話から飛び出してきたような、美しい街並みとして甦っていた。まるで、忌まわしい災厄の記憶を覆い隠すように……。クリスマスの夜。ひとりの青年が音羽の教会を訪れた。遠い昔に交わした約束を果たすために。彼を出迎える少女。共に過ごした時代を穏やかに語りあう2人。「ずっとふたりで進んでいこうと決めた」「そのはずだった」「なのに、俺たちの手は離れ、違う道を歩いてここに来た」互いが離れていた時間に、なにがあったのか。2人はそれを確認しあう。少女は語る――。 「はじまりは……ちょうど1年前のクリスマスの夜」「扉を開けて入ってきたのは、ひとりの男の子でした」「どこかあなたに似ていて――ええ、懐かしい匂いがしたんです」「だから私は思ったのかもしれません」「ほんの少しだけ、その男の子の物語に関わってみようって」『 ef – the latter tale. 』はこちら──
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2023.04.25
【対象者限定】大感謝祭ありがとう20%OFFクーポン対象
admin
時代は現代、ところはT県奥志麻市。開店休業中の緋EPC(奇々回避コンサルタント)の所長、緋修離(あけの・しゅり)のもう一つの顔は『かたり屋』である。様々な危機や奇禍を『かたり』で避けさせ、舌先三寸の説法紛いから困難な事態の解決に到るまでを請け負って、言葉と語りで人に道を指し示す。緋に仕事を持ち込んでくるのは、恩師の娘で半人前の探偵もどき、万条女桐子。しかしながら、今回の依頼人は、とあるキッカケで拾った女、高賀津希。奥志麻に君臨する高賀家、その先代当主の孫娘だ。津希は、骨肉相はむ跡目争いの渦中にいた。強欲どもの醜悪な有様に肩を竦める緋に、津希は依頼する。「どうか、祖父を捜して欲しい」死者を捜せとは、一体何を意味しているのか―
特集: あかべぇそふとつぅ特集
人嫌いで引きこもり生活をしていた武村は、突然起きたゾンビ・パンデミックで社会が崩壊しつつある中、何故かゾンビに襲われない体質になってしまう。ゾンビが徘徊する街を探索する内に、スーパーで立てこもる深月とその弟達に出会い、共同生活を続ける事となる。ささやかな幸せも感じられるようになってきた頃、とある事件によってスーパーでの生活が終わりを告げ、武村達は人々が避難生活をする市役所へと向かう事になる。ゾンビの恐怖を目の前に感じながら、何とか生き延びようとする人々。しかし、脅威は外のゾンビ達だけではなかった。生き残りを賭けて思惑と感情が錯綜する中、人々を待つのは希望か、それとも絶望か。そして人間のあがきをあざ笑うかのように、知性を得たゾンビ達の新たな活動が始まる。アダルト小説投稿サイト【ノクターンノベルズ】でネットユーザーの圧倒的支持を得て、年間ランキング1位!リアルな描写、次々と目まぐるしく変わる状況、果たしてこの環境で武村は、そして人類は生き残れるのか。『 ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない 』はこちら!
定時制の学園に通う藤代 尚(ふじしろ なお)は、何気なく過ごす日常の中、微かな孤独を感じていた。そんな彼が、周囲からは人あたりも良く、性格の良い人物として見られることが多いのは、その内面からの反動を‘‘明るさ’’として振る舞いに出しているからだろう。そんな日々の中で、彼は3人の少女と出会う。唯一の親友である猫と共に、他人など全く意識しないかのように奔放に生きる‘‘佐倉 詩希(さくら しき)’’。いつも元気で明るく、海が大好きな女の子‘‘柚月 未憂(ゆづき みゆう)’’。そして主人公とは昔からの知り合いで、彼女が編入した定時制学園で再会する事となった‘‘川原 砂緒(かわはら すなお)’’。彼女達とふれあう中、世の中と自分との間に言い知れぬ違和感を感じていた主人公の心に、少しずつ変化が生まれてくる…。「自分として生きること」への想いと共に。
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<<01>>東京、春。青年・桜乃 樹(さくらの たつき)は、舞い散る桜の花びらの中、ぼんやりとしていた。フェンスとコンクリートで硬く護岸された水路沿いの川べり、陽光降り注ぐ満開の桜並木の下。なすすべなくぼんやりとしていた。つい先程まで目の前にあったはずの、恋人(と言って良かったのだろうか…)・白波瀬(しらはせ)の少し小さな背中は、今は視界にない。それはぼんやりしているから見えないのではなくて、もういないのだ。「……時間は流れてるんだよ、桜乃君。いつまでも変わらないものなんて、無い。君といられた時間は楽しかったけど、それももうおしまい」「そうか……」「さよなら」<<02>>芽吹野(めふきの)町、秋。 少女・楓 ゆづき(かえで ゆづき)はぼんやりとしていた。 都会では、そろそろセット時刻通りにライトが灯り始める頃。この田舎町を囲む山の裏側へ、ゆっくりと進む陽の光の中。 川べりでは水面(みなも)へと続く砂利、そしてそこへ伸びる土手の草も、夕日に染まっているんだろうな。ふいにそんな事を考える。そして友人の藤倉 和(ふじくら なごみ)がもうすぐ迎えに来るであろう事を少し予想しながら、放課後のひとときを何をするでもなく、中庭で静かに過ごしていた。 猫がこちらへ向かって来る。なでる。大きく鳴くこともなく、猫は静かにしていた。彼女も静かにしていた。 同じ頃、青年は芽吹野町の自宅で布団にくるまりながら、言いようのない閉塞感に襲われていた。 故郷に戻ってから何をするでもなく過ごす日々の中、繰り返される感覚。 思い出すのは、光と桜並木。 そして「さよなら」だ。 大きく息を吐くと、彼は寝返りをうった。<<03>>芽吹野町、朝。「学園祭の招待券だよ。それでね、明日はお昼休みが終わった後、悠たちの劇があるのっ」もう冬も近いんだな。少し肌寒い空気の中、普段なら寝ている時間に、青年・樹は起き上がった。そして、従姉妹・桜乃 悠(さくらの ゆう)が昨日言っていた言葉を反芻した。「じゃあ、樹ちゃん、ぜったいぜったい、ぜぇぇっったいにぃ来てねっ!」<<04>>芽吹野町、桜鈴学園図書館、朝。まだ誰も来ていない学園の、しんとした図書館。区切りのいい場所まで予習し終えた事を、参考書のページを繰って確認すると、悠のクラスの委員長・藤倉 和(ふじくら なごみ)は、ふぅ、と息を吐いた。 学園祭だからといって、勉強を休む理由はない。これまで続けてきた習慣を変えるのも落ち着かないし、何より最も勉強に集中できる朝のひとときを無駄に過ごすのが、我慢ならなかった。 だけど今日のこれからは、いつもと少し違う日だ。私も制服から着替えたり…。まあ、せっかくだから楽しもう。図書室の窓から見える空は、秋の色を色濃く湛えていた。<<05>>東京から逃げるように故郷へ戻ってきた主人公・樹と、その小さな町の、小さな女学園に通う悠・和・ゆづき。それぞれの時間を、それぞれのペースで過ごす彼らは、秋色の空高い芽吹野町、桜鈴学園で出逢う。 或いは学園祭というイベントのせいかも知れないし、彼らが心のどこかで、何かを変えなくてはと考えていた為なのかもしれない。 とにかく、桜鈴学園の教頭であり、悠の父親でもある伯父が入院し、樹はその代用教員として学園へ通うことになった。その彼を兄のように慕う悠は、父親の体調を気遣いながらも主人公の近くにいられることを喜んだ。皆の信頼を集め、教頭先生を尊敬し慕っていた和は、自身の着替えを覗き、何をやっても半端な男である樹を目の敵にした。そしてゆづきは、マイペースに送っているはずの自分の日常に突如入ってきた新米代用教員には、特に興味を示さなかった。 彼らはそれぞれに、まだ何も気付いていなかったかもしれないし、もしかしたら予感くらいはあったのかもしれない。それは秋から冬へと季節が変わる中、春の気配を感じる、というのに似ていた。だからもし気付いたとしても、そんなに意識はしなかっただろう。 ―これから少しずつ、変わっていく、ということを。
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※本作品は本編とファンディスク同梱版となります。<<01>>8月のある日。どこまでも蒼く晴れ渡る夏空の下、丘野真(おかの まこと)とその妹・ひなたは、人影もまばらなローカル線のボックスシートで、互いに向かい合って揺られていた。車窓を流れる景色を見てはしゃぐ妹と、眠さの為適当にその相手をする兄。それはどこにでもありそうな、ある夏休みの光景だった。二人が向かうのは、彼らの生まれ故郷・風音(かずね)市。家の都合から、十数年前に離れたこの街へと再び戻るところだった。生まれ育った街にあるのは、おぼろげな記憶。引越す時に女の子と交わした約束と、一緒に渡したハーモニカ。そんなことをうっすらと思い出しながら、真は妹の声を聞き流し、レールの通過音に誘われるまま、浅い眠りについた。<<02>>それから半年後。故郷の学園に編入した彼らは、お調子者の同級生・橘勤(たちばな つとむ)やその幼馴染み、紫光院霞(しこういん かすみ)と共に、ごく普通に楽しい学園生活を送っていた。ただひとつ、変わった点といえば、彼らを含め、風音市に住む人々は皆、ちょっと不思議な「力」を使えるということ。少し高く飛び上がれたり、そよ風を起こしたりといった、本当に小さなものではあったのだが。編入してすぐに知り合った悪友・勤のお陰もあって、真とひなたには否が応でも友人が増えてゆく。なぜか隣接して建っている隣の学園に通う、藤宮望(ふじみや のぞみ)とわかばの姉妹や、彼女達が仲良くアルバイトをする喫茶店のマスターもそうだった。そんな中、彼らが出会ったのは、一人暮らしで小さな雑貨店を営む女の子・月代彩(つきしろ ひかり)。他人に対してかたくなに心を閉ざし、いつも無感情に振舞う彼女は、どことなくこの風音市という街に似た、不思議な雰囲気を持ち合わせていた。それは彼女の売っている、あまりに奇妙な商品からくる印象なのかもしれなかったが。<<03>>そんなある日のこと。真は忘れ物に気付き、放課後の学園へと足を向けていた。夕陽がオレンジ色に照らす校舎内でふいに彼が耳にする、ハーモニカの音。そのメロディは、記憶のどこかにしまっていた幼き日の母の思い出と、もうひとつの想いを彼に思い起こさせる。ハーモニカの音色に誘われるまま、隣の学園へと向かう彼は、夕暮れの中、ひとりの少女と出会った。「想いは、遠く離れてても届くんだよ。そして想いを無くさない限り、また会えるの。…今、私たちがこうしているようにね」そう言って微笑みながら真の方を振り向いたのは、思い出の中、こちらを見てにっこりと笑っていた少女。かつて離ればなれになった幼馴染み・鳴風みなも(なるかぜ みなも)だった。それぞれの思いを胸に、学園生活を送る真とその友人達。不思議な街を舞台に、彼らの物語が今、そのはじまりを告げようとしている…。
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// [ すぴぱら – Alice the magical conductor. ] についてminoriは、‘‘物語’’をお届けして参りました。その中で‘‘物語’’を、ひとつの「作品」として、より良い形で皆様に贈るべく目指してきたもの――具体的には、グラフィック、音楽、映像、そしてその全てを織り上げる‘‘演出’’。それらについて私共は、近作の『ef – a fairy tale of the two.』、『eden*』にて、ひとつの到達点を迎えた、と自負しております。そして、時は過ぎ、私たちは新たな挑戦を決意しました。それが、minori’s 5th debut about‘‘Wonder’’.『すぴぱら – Alice the magical conductor.』です。本タイトルは、培った演出技術を通し‘‘物語’’を描いてきたminoriが、より高次の表現 / 更にはエンタテインメントの持つ力の高みを目指す為の、新たな挑戦作となります。そして今回の挑戦が具体的に目標とする表現は、誤解を恐れず、ひとことで言うなら‘‘ 躍動感 ’です。これまでの作品で、私共が描いてきた‘‘物語’’。そこには例えるなら、「映画のスクリーンの中で、ストーリーを彩るキャラクター達とその感情の機微を完全に確立する」事に主眼を置いた演出を施す必要がありました。それは‘‘物語を通して、登場人物たちを生かす’’という形でひとつの完成を迎え、またそれを目指してminoriの作品は創られていた、と捉える事ができる。『すぴぱら』の制作を開始した現在、私達はそう考えています。前作の完成後、これまでの創作を改めて見つめ直した際。上記に対する自己再評価と共に、「エンタテインメントとしてのminori作品が、この先に目指すべき場所」を、おぼろげな形ながらも、確かに見出しました。エンタテインメントとは、心を動かすもの。そして、心を動かす、感動する、という結果をもたらすアプローチは、ひとつだけではありません。その中でminoriがこれまで探求してきたのは、前述の「‘‘ 物語 ’’としての世界が、‘‘ 人と心 ’’を動かす」感動を最大限に引き出そうというものでした。そうした方向から創り出した作品でも、最終的に人が感情を動かされるのは、‘‘ 人と心 ’’が織り成す部分に他なりません。それなら「‘‘ 人と心 ’’が、‘‘ 物語 ’’と世界を動かしている」という、ある種、逆のアプローチからのメッセージを、よりストレートに追求 / 表現し、形にできないだろうか。そして、それこそが心を動かす、純粋な塊となり得るのではないか。これが本作『すぴぱら』で、目指すものです。抽象的な表現が多くなってしまいましたが、結局のところ、「人と、その心から沸き起こる、‘‘ 生きている ’’ 感覚(‘‘ 躍動感 ’’)」を純粋な形で表現する、という事に尽きます。そして、その活き活きとした、ともすれば触れられるような躍動感を描き出すことで、瑞々しい感情の発露と、登場人物達が「居る」ために綴られて行く‘‘ 物語 ’’を、お届けできればと考えております。『すぴぱら – Alice the magical conductor.』は言わば、これまで組み立てた創作の方法論を自身で全て解き崩し、その瓦礫の上に築かれる新たな尖塔として、位置づけられた作品です。その塔が完成した暁に頂上から見える景色は、以前に登った頂きの別な側面かもしれませんし、全く新しい地平かもしれません。ただ確かなのは「上を目指し続ければ、その場所で自ずと答えは見えるだろう」という事でしょうか。……ちょっと言いすぎたかもしれません。しかし私たちはいつだってチャレンジャーなんです。自らの屍を越えていくのが生き様なんです。そう、一度きりしか無い人生、前のめりに行きたいじゃないですか!それでは、minori自身の新たな挑戦となる、「純粋な‘‘ 人と心が存在する感動 ’’を内包した、躍動するエンタテインメント」作品の誕生に、どうぞご期待ください。
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──それは地球で最後の恋物語。遠い未来の出来事。火星付近に突如出現した「破滅の星」と呼ばれる巨大なエネルギーの塊。その影響は地球にも降り注ぎ、異常気象や地殻変動が発生。それをきっかけに各地で勃発した戦争とテロ行為により、世界は破滅的な打撃をこうむる。しかし、それすらも真の破滅への兆しでしかなかった。残された時間は100年。滅亡を回避するために、人類は地球からの脱出を計画。その遂行のために2つの計画が立案された。第一に、計画そのものを実行する‘‘地球統一政府’’の設立。彼らは地球脱出の遂行を最優先とし、大を生かすために小を犠牲にする方針を打ち出す。強権による人災収拾。世界政府設立の妨げとなる国家や団体を軍事力に制圧。また、人種・宗教・食料・エネルギーによる、ありとあらゆる問題を圧倒的な武力によって鎮圧した。第二に、地球脱出の根源となる‘‘フェリクス計画’’。移民のための宇宙船建造、ならびに宇宙空間での長期生存を可能とする技術力を手にしなければならなくなった人類だが、残された時間はわずか100年でしかなかった。彼らは実現不可能なその計画を、実現可能な超人類を生み出すことで解決する──遺伝子に改良を施し、高い知能と不老長寿の肉体を持つ新たなる人類「フェリクス」。それから99年の時が流れ──。地球脱出計画の中心メンバーとして活躍したフェリクスの少女がいた。人生のすべてを研究に捧げ、仕事を終えた彼女は、人がいなくなった地球に残って穏やかに余生を過ごすことを望んだ。そして彼女のもとへ統一軍から派遣された青年がいた。彼の仕事は少女を守ること。そして、彼女の自由を拘束すること。2人の出会いから物語は動き出す。すべてを燃やし尽くした星と少女の、小さな物語が。
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『 FANZA 同人&アダルトPCゲーム 大感謝祭 -2023- 』記念!オトクなセットをご用意しました♪大感謝祭記念!期間限定セットはこちら★☆販売期間:3月7日(火)16時59分まで【収録作品】◆ef − the first tale.◇ef − the latter tale.◆夏空のペルセウス◇12の月のイヴ◆トリノライン◇トリノライン:ジェネシス◆罪ノ光ランデヴー◇BITTERSWEET FOOLS◆Wind −a breath of heart− Re:gratitude◇はるのあしおと◆ANGEL TYPE◇eden* They were only two, on the planet.(R18版)◆【全年齢】すぴぱら − Alice the magical conductor. STORY #01 − Spring Has Come !◇その日の獣には、※ご購入後は、1タイトルずつダウンロードが可能です。※本セットは後日復刻販売をする可能性がございます。
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○大人気世紀末ゾンビエロノベルシリーズ、オールインワンパック登場!!ゾンビ、廃墟、立て篭もる人々……投稿サイトで圧倒的な人気を誇った小説を、妖艶なCGとボイスで再現。○主人公だけがゾンビに襲われない!チートな状況人々が次々とゾンビに襲われる中で、何故か主人公だけはゾンビに襲われません。そんな状況でやる事と言ったら……セックス!弟達と立て篭もる美少女を、食料供給の約束と引き換えに好き放題。○前代未聞のゾンビエッチ相手は人間だけじゃない。見た目が美少女ならゾンビだって気にしません。見た目美少女、中身はゾンビな女の子に対し襲われないのをいい事にやりたい放題します。○それだけに留まらない!魅力的なストーリー原作はネット小説投稿サイト『ノクターンノベルズ』にて年間ランキング1位を獲得した、人気の話題作!生き残りをかけてそれぞれの目的が交錯するストーリーはこれまでにないスリリングな展開を見せ、緻密に描かれた心情描写によって人物たちの苦悩や揺らぎといった感情がリアルに、そしてダイレクトに伝わってきます。思案、逡巡、妥協、打算。きっかけは人を変え、そして行動をも変えていく。やがて心に生まれた不安は、束の間の安らぎを求める。それぞれの思惑はこのサバイバル世界でどこへと向かうのか、それとも……?濃厚なHシーンは全編合計でなんと22シーン。CG枚数はHシーンのみでも差分含め1000枚を超える大ボリューム!ネットが認めたこの話題作、その全作品をダウンロードで今すぐプレイ!【収録作品】・『 ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない 』・『 ゾンビのあふれた世界で俺だけが襲われない 市役所編 』・パック特典「イベントCG、キャラクターデザインなどの設定ラフ集」
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『サクラノ刻 −櫻の森の下を歩む−』の応援としてお得なセットを期間限定で発売!!販売期間:2023年1月29日(日)いっぱいまでこの機会をお見逃しなくっ!◇素晴らしき日々 〜不連続存在〜 フルボイスHD版◆サクラノ詩 −櫻の森の上を舞う−【萌えゲーアワード2015 大賞・ユーザー支持賞 受賞】※ご購入後は、1タイトルずつダウンロードが可能です。※本セットは後日復刻販売をする可能性がございます。『 サクラノ刻 −櫻の森の下を歩む− 』はこちら──
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